旧Twitterで見かけて、コンセプトがおもしろそうだなと気になって夏ごろに買った本。
結論から言うと、読むのは楽しかったんだけど読了できなかった。
そういう感想があってもいいかなと思ってこの記事を書いている。
きっと部屋にはそのひとそのものが表れる。意図した部屋でも、無防備な部屋でも。ほかの誰かと暮らす部屋ではない、ひとり暮らしの部屋ならなおさら。
そんな思いから、市井で生きる人たち100人に声をかけ、ひとり暮らしの部屋にまつわるエッセイを書いていただきました。部屋全体が写る写真と、お気に入りのものを写した写真も載せています。(中略)
■職業も住む場所もさまざまな100人の、ひとり暮らしの記録集
お笑い芸人/ 画家 / 大学生/ 喫茶店店主/ 会社員/ 学校職員/ 地方公務員/ D J/
デザイナー/ フリーター/ 編集者/ 研究員/ 詩人/ 本屋店主/ 事務職/ 書家/ 学芸員/
文化施設職員/ 花屋/ ライター/ イラストレーター/ 映画監督/ 着付師/ NPO職員/
ラジオパーソナリティ / 縫う人/ 英語教員/ 映像作家/ ITエンジニア/ ピアノ講師/
ジビエ解体/ 料理家/ 医師/ カウンセラー/ 美容師/ 犯罪学者 ほか(小鳥書房HPより)
タイトル通り、ひとり暮らし100人分の部屋の写真とエッセイを集めた本。
私は結局半分ぐらいしか読めていないのだけど、実際に他人の暮らしをのぞき見ているようで楽しかった。
特に好きだったエッセイもいくつかある。
- 暗黒の帰路/MAI(1/100)
- 半分以下の責任に守られる生活/磯貝依里(6/100)
- ロボット掃除機のサイドブラシが詰まっています/クラハシナホ(21/100)
- ただ飛行機の音を聞く/尾崎大輔(26/100)
- かんようしょくぶつ/髙橋梨佳(46/100)
他人の部屋なんて普段ほとんど見ないからこういう本で眺められるのはおもしろいと思ったし、エッセイも1ページに収まるくらいの分量なので読みやすい。
でも私は半分くらいまで読んでやめてしまった。
理由としては、なんだかお腹がいっぱいになった、という感じ。
「ひとり暮らし」「エッセイ」というコンセプトや「編者の知人に声をかけて書いてくれる人を集めた」という成り行きから、どうしても生活の質が似ているというか、個人的には100人分は要らないかなあと思った。
せっかくだったら生活保護を受けている人や不労所得のみで暮らしている無職、年金生活で持ち家暮らしのご年配とか、逆に仕事忙しすぎて家にほぼ帰ってない人とか……もっと属性に幅があってほしかったし、エッセイを書くというタスクがあるので仕方ないかもしれないけど、活字に親しんでいるタイプの人ばかりっぽかったのも物足りないなあ、とか(普段ぜんぜん本読みません文化的なこと興味ありませんみたいなタイプ人の話も読みたかった)。
まあ半分しか読まずにリタイアしてしまったので、後半にそういう人たちが出てくるのかもしれない。
けど読了するほどは惹きつけられなかった(飽きちゃった)というのが正直なところ。
もちろん細かく見ればひとりひとり違うのだろうけど、全体的に方向性というか質が一緒で私は退屈してしまった。
コンセプト的にも読む前に気づくべきだったかもしれない。
まあこの本はnot for meだったのかな。
それでも他人の部屋をのぞいたりエッセイ読めたりしたのは楽しかったので、買ってよかった。
いつか気が向いたら後半も読もうと思う。