子どものころ、小説を読むのが好きだったと思う。
読書家というわけではなかったけれど、言葉が好きで、おなかが減ったらごはんを食べるくらいの自然な感覚で、ごくあたりまえに物語を求めては本を手に取っていたような気がする。
本を読めなくなったのは小学校の後半あたりで、いろいろあってメンタルがおかしくなってからだ。
それ以来ずっと希死念慮で頭がいっぱいで、活字を目にしても頭に入らず、なにに対してもまったく興味を持てず、砂を噛むような生活がもう10年以上続いていた。
そのあいだメンタルクリニックに通ったり、カウンセリングを受けたり薬を飲んだりして、ありがたいことに少しずつ調子がよくなってきた。
それで近頃よく思うことがある。本が読みたい。
さっき数えてみたら、積読が50冊くらいあった。
なにもできない生活に焦りを感じて、なんとかしようともがくなかで買ったまま読まれなった本たち。
最近心に余裕が出てきたのか、ふしぎとその本たちが気になってきた。
それで今なら読めそうだと思って本を開いてみたのだけど、ぜんぜん読めなくなっていた。
集中できないし、内容が頭に入ってこない。
たしかに文字を追っているのに、少しするとどうして今この状況になっているんだったっけ?となってページを戻る。
そんなことの繰り返で、心が折れてしまった。かなしかった。
それでここ数ヶ月くらいずっと気持ちが沈んでいたのだけど、一昨日だったか、偶然こういう動画を見た。
動画の中で本を読むコツやマインドセットをいろいろ解説してくれているのだけど、ひとつ腑に落ちたのが「読書筋力」という考え方だ。
(上記動画では主に教養書・ビジネス書を読む前提だけれど、小説を読むときにも転用できそうなお話も多い。)
本を読むにも筋力が要る。筋肉のない状態で難しい本は読めない。ざっくり言うとそんな感じだった。
ああ、私はいま筋力ゼロだなと思うとなんだかいろいろ吹っ切れた。
まずは簡単な本から始めよう。そして内容を忘れてもいいし、おもしろいと思えなくても構わない。
もっとシンプルに気楽に考えて、少しずつでも、子どものころみたいに純粋にを楽しめめたらいい。
今日から少しずつ、読書に再び慣れていこう。
いつか一冊読み切れたときは、このブログで報告させてほしい。